2019年2月1日金曜日

ボサノヴァからのメッセージ

みなさん、こんにちは。月日が経つというより、時間の流れがどんどん加速していて、うっかりしていると置いていかれることを感じます。
今回はボサノヴァの歌詞についてです。去年、地元桐生市での桐生創造市で演奏させていただいたのですが、プロの司会者の方に演奏曲の訳詞を朗読していただきました。私がボサノヴァという音楽を一生歌っていこうと決めた2000年、ワンマンライブを開くのに歌詞の訳詞を、来てくださるお客さんにお渡ししようと思い、当時住んでいた東京の田無のカフェレストランで1曲、1曲、自分で訳していました。すると、その歌詞の内容は、ある曲は自分へのメッセージであったり、自分を癒してくれるものであったり、美しさで感動する内容だったりしました。それは、まさに私にとって神様からの贈り物であって、訳しながら感動して涙していたりしました。桐生創造市さんのイベントのテーマが「ギフト」であったので、とても感慨深いものになりました。
今回ご紹介させていただく歌は「Se todos fossem iguais a você もしもすべてがあなたと同じであったなら」という曲です。1999年公開されたブラジル映画「オルフェ」のエンディング曲で知ったのですが、元々は「黒いオルフェ」の元となった戯曲の中での曲であり、アントニオ・カルロス・ジョビンとヴィニシウス・ヂ・モラエスのはじめての共作だそうです。

歌詞訳詞

あなたの人生を生きなさい
あなたの道は愛と平和からなのです
あなたの人生を生きなさい
愛の美しい歌なのですよ

両腕を広げ
最後の希望の歌を歌いなさい
平和の 愛の 聖なる希望を

もしもすべてがあなたと同じであったなら
いつもなんとすばらしいことだろう

辺りに歌があふれる

女性を
街を
ほほえみを歌う歌が

太陽のような 
花のような
光のような
愛の美しさを望む歌が

真実はあるのだろう
まだ誰も見たことのない真実
もしもすべてがあなたと同じであったなら

映画「オルフェ」の中では、死んだはずの主人公の二人、オルフェとユリディスがカーニバルの中で幸せに満ちている現実の中にいる描写で幕を閉じます。まさに曲とシーンが昇華し、感動で涙しました。
その感動とともに渡ったリオでしたが、現実のリオは貧富の格差が激しく、治安も悪く、11日を貧困と絶望でで喘いでいる人々を目の当たりにしました。ある日、コパカバーナの海岸を散歩して、ベンチに座って海岸を眺めていました。すると、ベンチの下にいた空き缶を拾って生計を立てているらしい黒人がむっくりと立ち上がったと思うといきなり、その袋に入っていた空き缶をぶちまけました。その時のその人は明らかに自暴自棄になっているようでした。翻って、今日の日本の現状も格差社会が進み、私の街桐生市の商店街の状況も停滞したままです。
私はこの曲を歌わせていただく度に、祈らずにはいられません。社会に不正はなくなり、世界が平和と自由に満ち、共存共栄共生の中で自然は尊重されている世界が実現していることを。

歌で、音楽だけで世界が救われるとは思っていません。ですが、市場のように、色んな人が集まり、つながり合って、協力し合う。その中に音楽というもので関わらせていただければと思います。


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