2010年7月15日木曜日

Minha Memória

ついいましがた、オークションを通して、なつかしいアルバムを手に入れました。「Mémorias~Obras do Jacob do Bandolim」(エヴァンドロ/メモーリアス〜回想譜〜ジャコー・ド・バンドリン作品集)というCDです。ショーロのアルバムです。大事にしていたあまり、どこに置いておいたか忘れてしまい、亡くしてしまっていたものでした。

このアルバムはブラジル音楽ですが、ブラジル人はソリストのエヴァンドロ1人で、他の3人は日本人です。カヴァキーニョの井上満氏、ギターの田嶌道生氏、パーカッション(パンデイロ)の栗山豊二氏です。

このアルバムを買ったのは15年以上前になります。地元群馬の前橋にある新星堂レコード店でした。新星堂ではオーマガトキというレーベルのアルバムを販売しており、良質のブラジル音楽のアルバムを出していました。ジョアン・カエターノ劇場のエリゼッチ・カルドーゾの2枚組のライブ盤も出していたと思います。何気なく買ったのですが、当時のお気に入りで、よく聴いていました。とくに2曲目の「Eu e você」という曲が大好きでした。メロディーとハーモニーとギターの低音のカウンターラインが絶妙だったんです。

縁は異なもので、リオに滞在しているときにHumaitá(ウマイター)のCobal(コバウ)というレストランで、ショーロのバンド(ブラジルではコンジュントといいます)が演奏しており、アレンジもそっくりのこの曲を聞いたのです。しかもバンドリニストは有名な演奏家の息子さんでした。なつかしいと共に日本人のアーチストが本物の演奏をしていたんだということが嬉しかったのでした。後日、井上氏にお会いしたときにそのことを話したら、アレンジは日本のコンジュントのものだったそうです。

前出のお三方はいまも地道にショーロの演奏活動をされていますが、寂しいのは、そうした方々の良質なアコースティック・アルバムが公にリリースされないこと、また販売するお店がなくなってしまったことです。それに、ブラジル音楽に限らず、昔のレコード店にはいろんなジャンルの音楽があった気がします。さまざまな音楽が共存し、消費者がそれを直に選べること。それが健全な市場だという気がします。

いつの日かショーロのような素晴らしい音楽がまた、脚光をあびる日が来ると信じています。それまでは、またこのアルバムを聴いていようと思います。

1 件のコメント:

  1. アレンジが日本のコンジュントのものって、すごいことですね。
    ショーロ、大好きです。
    いろんなジャンルの音楽が選べるお店って大切ですね。
    そういうお店があったら、音楽に対する視野が広がって、心も豊かになりそうです。

    このアルバム、私も聴きたくなりました。

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