2013年2月1日金曜日

エッセイ4

群馬県内東毛地区で配布されているタウンわたらせの、2010年に掲載されたエッセイの最終回です。自分の中で軸になっていることを整理するよい機会となりました。とてもありがたかったです。
 
タウンわたらせエッセイ4~ 思いをかたちに ~
2010年6月26日第390号掲載

 みなさん、江本勝氏の「水からの伝言」という本をご存知ですか?私達の世界は物質も含めて、皆波動であり、目に見えないその波動を水に閉じ込め、氷結させるとそれぞれの波動は異なる幾何模様として見ることが出来ます。「水からの伝言」はその写真集です。例えば「ありがとう」という言葉やモーツァルトの音楽はとてもきれいな幾何模様となります。人から「ありがとう」と言われて、いやな思いをするひとはいないはずです。また、モーツァルトの音楽は温室栽培をしているトマトに聞かせると、トマトがより甘く熟すといった現象があります。一方、「バカヤロー」や「ムカツク」といった言葉の波動はきれいな幾何模様にはならず、おどろおどろしいくずれたかたちになっています。明るく、あたたかい、美しいものは高い波動であり、暗く、冷たく、汚いものは低い波動です。高い波動は創造を生み、低い波動は破壊へとつながります。例えば、日本の伝統である”ぬか漬け”において、酵素であるぬかはひとの思いの波動に共鳴し、反応します。ひとが手間をかけ、愛情を込めたぬか漬けは発酵し、おいしい漬け物となりますが、愛情をかけずに手を抜けば、カビが生えたり、腐らせてしまいます。
 とすると、自然の中で降って来る雪はどうでしょう?どれ一つ同じかたちのものがなく、美しい結晶のものばかりです。とすると、自然というものは、高い波動であって、言い換えれば「愛」そのものではないでしょうか?自然自体は全てを育み、循環する何一つ無駄のないテクノロジーを持っています。
 自然がみな、生まれながらに備わっている英知によって生きているのに対し、人は思いをかたちにします。(厳密には自然も思いをかたちにしているのですが)例えば、離ればなれのひとの声が聞きたい、話がしたいという思いが電話の発明と言うかたちになりました。それをもっと便利で手軽なかたちにしたいという思いが携帯電話やいま話題になっているスマートフォンのiPhoneというかたちとなって登場してきています。
 iPhoneはアップル社というパソコンメーカーのもので、電話の機能、スケジュール管理、メール、音楽を聞き、動画も見れてインターネットにもつながるなど、電話機とパソコンの機能を融合し洗練させた新しいデバイスです。現在パソコンメーカーのアップル社の開発する製品は最高経営責任者(CEO)のステーブ・ジョブズ氏の意志が強く反映されているといっても過言ではありません。ジョブズ氏はフォーブス誌のすぐれた経営者投票で過去最高の得点で1位に選出されている人物です。
 ジョブズ氏は今から25年前某雑誌のインタビューで、コンピュータはどう変わるかと尋ねられるとこう応えました。(この時点ではまだパソコンは黎明期であり、インターネットは出現していませんでした。インターネットの普及は1990年代後半から)「将来、家庭にコンピュータを備える最大の理由が、コミュニケーションの全国的なネットワークに参加するため、ということになるでしょう。電話に匹敵する注目すべき飛躍的な進歩です。つらいのは、世間は具体的な答えを求めるのに、ぼくらにはそれが出せない事です。」と語り、グラハム・ベルの電話の発明についていかに素晴らしいことか熱く語っています。現在大ヒットしているiPhoneが発表されるときにジョブズ氏は「今日アップルは電話を再発明します」と言った言葉の裏には、今のような時代の到来を25年も前に予見し、そのために必要なデバイスをかたちにしようという一貫した強い信念を持っていたということになります。これはすごいことだと思います。
 「芥子粒ほどの思いがあれば山をも動かす」というキリストの残した言葉があります。地球の大きさからすれば微生物ほどの大きさである人間ですが、そのひとりひとりの思いは社会を変えさせるほどのポテンシャルを持っているのです。自分自身のしあわせへと平和への願望という思いを実現させることの可能性を信じ、いつもそこに気持ちを向け、保ち続ける意志をもって生きていると実現することは可能なことなのかもしれません。
 

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